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ブレーキフルードの交換時期はいつ?費用はどれくらい



車には大きく分けて潤滑と冷却を目的としたオイルと、作動を目的としたオイルの2種類のオイルがあります。

見分け方としては、オイルと呼ばれるものが潤滑を目的とし、フルードと呼ばれるものが作動を目的としたものになります。

普段良く聞くようなエンジンオイルとは違い、ブレーキフルードは作動油と呼ばれる部類のオイルになります。

このブレーキフルードはブレーキ系統に油圧をかけて、車を減速させるために作動させる役目をもっていて、ブレーキペダルの力を伝達する非常に重要なオイルです。

なぜ、作動に油圧を使っているかというと、パスカルの原理(あらゆる方向に同じ力が伝達する)を使用することで、安定した制動力が得られるためです。

また、市販車では「エチレングリコール」を主成分としたパーツが多くあり、油というよりもアルコールに近い成分になります。

ブレーキフルードに、求められる性質としては以下の項目です。

 

・温度に対して粘度変化が少ない

・化学的に安定している(耐酸化性)

・吸湿性が少ない(水分を吸収しにくい)

・ベーパロックを起こしにくい

・ゴム類を変質させない

・金属を腐食しない

 

ブレーキフルードの交換時期はいつ?

おおまかな目安としては2年に一度、もしくは2万キロに一度の交換になります。

車検と同時に交換する場合が多いです。

このブレーキフルードは経年劣化によって、無色透明から黄色、茶色、黒と色が変色していきます。

無色透明から「黄色」「茶色」「黒と色」が変色をするのは、水分を吸収してしまいブレーキの効きを悪くしてしまう可能性があります。

 

「最近ブレーキパッド交換したのにブレーキの効きが悪いな」

「ブレーキがフワフワするな」

 

そのように感じたら、フルード劣化していると考えた方が良いでしょう。

ボンネットを開けてブレーキフルードを確認した時、茶色に汚れていたら交換してください

※ものによっては最初から黄色や青に着色されているものもあります

汚れたブレーキフルードは吸湿によるベーパロック現象(吸湿による沸点の低下時にフルードが沸騰し、気泡が入ることによってブレーキが作動しない現象)に、繋がり易く、腐食によるオイル漏れなどの二次災害として出てきます。

なので、早めの交換が望ましいでしょう。

また、フルードタンク内のローレベル以下の場合は、オイル漏れをしていると判断したほうが良いでしょう。

ブレーキ機構の消耗による、フルードの減りはあります。

だからこそ、激しく減る場合は液漏れを、していないか点検する必要があります。

ブレーキフルードの交換費用は?

ディーラーでは車種によりますが、工賃込みの約4000円で交換できるでしょう。

ブレーキフルードは平均価格「1000円~3000円」で、大手カー用品店で比較的安い値段で手に入れることが出来ます。

一応、自分でブレーキフルードの交換は可能です。

しかし、フルード交換後にエア抜きという、工程をしなければなりません。

フルード内に気泡が残ったままだと、ブレーキペダルの踏む力が気泡によって吸収されてしまします。

その結果、ブレーキを踏んでもブレーキが効かなくなります。

なので、絶対にエア抜きという作業はやっておきましょう。

これには少し特殊な工具をそろえなければなりませんので、ディーラーや整備工場に持ち込むのがよいでしょう。

また、自分で交換する場合は、専用のキットはネットでも販売されています。

ブレーキフルードの交換に挑戦したい人は、購入を検討してみても良いかもしれません。

大きな注意点として、ブレーキフルードが塗装面に、付着したらすぐに大量の水で洗い流してください。

ブレーキフルードは非常に劇薬ですので、たった5分放置するだけでも塗装が剥がれてきます。

なので、自分で交換する場合はブレーキフルードが、塗装面に付着しないように気を付けて作業をしましょう。

DOT3とDOT4入れるならどっち?

そもそもDOTとは沸点によって区分され、数字が大きくなるほど沸点が高くなるので、DOT4の方が沸騰しにくく、少々高価になります。

つまり、DOT4というブレーキフルードは、ペーパーロックを起こしにくくオイルが限界になる熱が、DOT3よりも高いと言えます。

それぞれの車両にDOT数の指定がありますが、DOT3車両に高性能なDOT4を入れる事は問題ありません。

逆にDOT4車両にDOT3は絶対に入れてはいけません。

理由は、DOT3というブレーキフルードは沸点が低いので、DOT4指定車両に入れるとペーパーロックが起こりやすくなり大変危険だからです。

なので、車両指定のDOT数のフルードを、充填するのが良いでしょう。

ちなみに気を付けなければいけないのは、DOT数の違う物を混合させてはいけないということです。

継ぎ足しで補充する場合は同じDOT数の物にしましょう。

余談ですが、一般的なDOT3.4に対してDOT5も存在します。

これはモータースポーツなどで用いられ、DOT3.4に対して沸点が非常に高くなっています。

だからと言って「DOT5を、入れればいいじゃないか」というわけではありません。

DOT5の性能は、良くても寿命が短いのです。

要するに使い捨てのようなものです。

以下がDOTごとの沸点になります。

 

DOT3(エチレングリコール)・・・ドライ沸点205℃以上、ウェット沸点140℃以上

DOT4(エチレングリコール)・・・ドライ沸点230℃以上、ウェット沸点155℃以上

DOT5(シリコン)・・・ドライ沸点260℃以上、ウェット沸点180℃以上

 

ドライ沸点とは新品時の沸点で、ウェット沸点とは吸湿時の沸点を表します。

吸湿時は本来の沸点の約3分の2しか性能を発揮出来ず、ベーパロックを起こしやすいので非常に危険な状態になります。

もしベーパロックを起こした場合は、すぐに走行を辞め、お近くのディーラーや整備工場に持ち込みましょう。

まとめ

エンジンオイルの交換はしたことがあるけど、ブレーキフルードの交換はしたことがないという人もいるかも知れません。

確かに、エンジンオイルも交換すべき重要なメンテナンスのひとつですが、ブレーキフルードも車の状態を良くする意味でも、交換はしておいたほうが良いのです。

ブレーキフルードの交換は2年に1度なので、車検ごとの交換となります。

また、「DOT3とDOT4」に関しても長い下り坂を走行するという場合は、沸点の高いDOT4のブレーキフルードに交換したほうが良いでしょう。

理由としては、沸点が高いということはブレーキをよく使うことで、ペーパーロック現象が起きにくいからです。

基本的に「DOT3」指定の車に沸点の高い「DOT4」を入れても問題はないですが、その逆はペーパーロック現象が起きやすいのでやめたほうが良いでしょう。

ペーパーロックとは、ブレーキフルードに加熱されて出来た泡によって、ブレーキを踏んでも伝達が泡によって邪魔をされて、ブレーキが効かなくなるという現象です。

車の使い方によってブレーキフルードを、変えるのも良いでしょう。